「文化」論・・?
中国には
20世紀初頭に日本へ留学した人々によってもたらされた、
日本からの 「逆輸入熟語」 がたくさんあります。
「結婚」 「哲学」 「理論」 「科学」 などなど。
日本では、明治初期に イギリス・ドイツ・フランス などの
「ヨーロッパ近代学問」 がどんどん翻訳されたわけですが、
その際に 当時の日本の学者たちが一様に身に付けていた
「漢学の知識」 が大いに役立ち、新しい概念・新しい事物 は
漢字を使って 「日本語」 に翻訳されました。
20世紀初頭の日本への 「清国留学生」 達が持ち帰った
「逆輸入熟語」 は、そういった単語の群れなのです。
しかしながら。
間違いなく 「共有」 と言える単語は、ごくわずかだと言えましょう。
夫なり妻なりを 「愛人」 といい
恋人のことを 「情人」 という、
面食らうような 「同文同種の 大違い」 は有名です。
そして、
それらの 派手な面食らいとは また一味異なった、
ちまちましたところでの 異なりも、おもしろいものです。
たとえば、「学歴」 。
日本では、
いつ どこの学校に入学し卒業したかという 「履歴」 だけでなく
大学卒、専門学校卒、院卒、などの いわば
「自分が経た教育機関の上限」 も意味しますね。
中国語では、「学歴」 は前者だけの意味。
「自分が経た教育機関の上限」のことは、「文化水準」 といいます。
日本語で言う 「彼は高学歴だ」は、
「彼は文化水準が高い」 というのです。
また、知的教育を受けた人のことを 「彼は文化が有る」 とも。
私には、・・・・
「文化」及び「文化水準」 という言葉が 個人に適用されるというのが
なんと言うか、眉間の辺りが もぞもぞとする。
「文化」 は、大きく言うなら 民族古来の
芸術や 社会システム、法体系、などをイメージしますし、
小さく言うなら或る都市や地域の
カルチャー的な要素 ―― 良い図書館があるとか 上質のコンサートホールがあるとか、などのイメージを覚えるからです。
中国で、周囲の人々が
お父さんもお母さんも息子も大学卒、という家庭を指して
「あそこのうちは 全員 文化水準が高い」 と言うのを聞くと・・・
外国語っておもしろいなぁ としみじみ思ったものでした。
きっと、
日本に来た中国人も 昔の 「文化住宅」 なぞという言葉を聞いて、
「学校教育経験者たち専用の家なの?」 とか 感じたことでしょう。
この記事へのコメント
ところで、日本で使う「文化」は中国では何というのでしょうか?
いつも、質問ばかりですみません。
コメントありがとうございます。実は・・引越しによる蔵書の整理で 大昔に読んだ本がたくさん出てきて・・ おりしもお正月、お休み気分でそれを読んでばかりの日々なのです。読みたおしていると、書きたおせないものなんですね・・ 。
いつもおいで下さるのなかなか更新できなくてにすみません。
さて、「文化」。
はい、「文化」のことも「文化」といいます。弁別は、・・私見ですが、文化水準が云々・文化が有る という使い方の場合の「文化」は、連体修飾語及び目的格補語的な意味合いを帯びており、「民族文化・東洋文化などのように日本での「文化」と同様の意味の場合は、名詞的な意味合いで使われる・・と思います。